薬
儂は今Doしようか悩んでいる。
昼飯後の薬を飲んだか忘れてしまったのだ。
今は午後6時。
7時には晩御飯を食べようと思っている。
仮に昼食後に薬を飲んだとして、昼食が午後1時。
4時間は経過しているので夕食後に薬を飲んでも何も問題ない。
だが性格的にモヤモヤしてしまう。
この薬が持病の薬で必ず飲まないと体調が悪くなるというものではない。
ただの風邪薬だ。
つい2日前に風邪気味だったので掛かりつけの病院に行ってもらった3種類の薬なのだ。
逆算して2日前の昼食から飲み始めたので、7つ無くなっていれば問題ない。
そうだこれで解決だ!
5つしか無くなっていない。
これは仮に昼食後に飲み忘れたとして、それよりも前に飲み忘れたことが確実にあるということだ。しかもそれを今の今まで気がつかなかったということだ。
75にもなってまだまだ若いと思っていたがもう記憶力が衰えてきたか。
これは結構ショックだ。
若い頃は会社での営業成績はトップで職場で出会った5つ上のみつ子さんと結婚。定年後は妻と仲良く暮らし、70の時に妻に先立たれ。近所の人たちと旅行に行ったり散歩したり活発に動いていたから、まだまだ若い者には負けんぞと思っていたが、これがボケということか。
まあ20歳過ぎてからは老いていく一方だから騙し騙し生きてきた人生だったが、75で気がつくのはまあまあ、なだらかに老いていった方だと思う。
そんなことはどうでもいいんだ、今に至るまでに薬を飲み忘れたことが昼食の他にあるというのか?それはいつだろうか?
薬をもらった初日は朝食後少し咳と鼻水が出ていたから病院に行ってそこで薬をもらった。
家に帰って昼食をとり1つ目の薬を飲んだ。
その後は体調のこともあったのでテレビを見ながらのんびりした。
夕方になって簡単な肉野菜炒めを作った。
その後はテレビを見ながら薬を飲んだのを覚えている。
2日目つまり昨日だ。
昨日はタカシと久しぶりに買い物に行った。
タカシは儂と2つ違いの弟で近所に住んでいる。
が、儂が寝坊をしたばかりに寝坊してタカシの電話で起こされた。
急いで準備して最寄りの駅まで走って行った。
タカシは儂が遅れたことに対してニヤついていた。
少しでも自分が優位に立つとニヤニヤする。
子供の時もそうだ、儂が登れない木を勢いだけで登っただけで自慢げにしていた。
その後自分で降りられなくて俺が助けを呼んでやったのに。
そういう性格は大人になっても変わらない。
儂が遅れたせいで昼飯代を奢らされた。
しかも有名天ぷら屋の一番高いランチセットだ。
その昼の時に薬を飲み忘れたんだ。
タカシと別れてからは昨夜の野菜炒めの残りを食べて薬を飲んだ。
良かった良かった。
これでスッキリした。
…、ん?完

コメント